
2月19日、つくば市と、全国でコンテナ型モバイルホテル「レスキューホテル」を展開する株式会社デベロップ(本社:千葉県市川市、岡村健史社長)との間で、防災協定が締結されました。
今回の協定により、2月26日に開業予定の「HOTEL R9 The Yard つくば」が、災害発生時には避難者や応援職員の受け入れ施設として活用できる体制が整いました。平常時はビジネスホテルとして通常営業しながら、災害時には迅速に転用可能とする「フェーズフリー(いつでも・どんなときでも使える)」という考え方に基づいた、柔軟性ある仕組みです。
つくば市は、地域防災計画に基づき、災害対応力の強化を進めており、今回の協定はその一環として大変意義のあるものです。災害時には、宿泊や休憩、打合せなどの拠点としてこのホテルを活用できることは、行政にとっても、市民の皆さまにとっても、安心感のある備えになると感じています。

この「レスキューホテル」は、もともと東日本大震災の経験から生まれました。仮設住宅や臨時宿泊施設としての実績を重ねながら、全国各地の自治体と防災協定を結び、有事には速やかに展開できる信頼性の高い設備として、これまでにも新型コロナウイルス感染症対策としての医療・検査拠点などに活用されてきました。
今回、つくば市は茨城県内で13番目の協定締結自治体となり、全国では98カ所、3611室が展開されているレスキューホテルネットワークに加わったことになります。
協定締結にあたって、五十嵐立青市長は「市民を守る防災体制がより強化される、非常に心強い取り組み」と語られ、またデベロップの岡村社長は「これまで7回の災害対応で出動した経験を活かし、地域の皆さまに貢献したい」とお話しされていました。
今回開業する「HOTEL R9 The Yard つくば」は、つくば市台町、常磐自動車道・谷田部インターチェンジの近くに立地し、アクセスの良さも特徴です。敷地面積は約3,000平方メートル、全56室の客室には、ベッドやユニットバス、冷凍冷蔵庫、電子レンジなどが完備されており、プライバシーや快適性にも配慮された造りとなっています。
日々の暮らしの中では、災害という言葉は遠く感じられるかもしれませんが、いざという時に備え、ふだんの施設がそのまま「命を守る場所」に変わる――そんな備えが、地域の安心を支えます。子育て中のご家庭、高齢の方、体調に不安を抱える方にとっても、清潔で安心できる場所が確保されていることは、何よりの安心材料になるのではないでしょうか。
今後も、防災という言葉に「やさしさ」と「安心」を添えられるよう、女性の視点も活かしながら、一つひとつの取り組みを丁寧に見守り、支えていきたいと思います。