「もったいない」の心を社会の力に/ホテル日航つくばで「サステナブルフェス2025」

6月8日、つくば市にあるホテル日航つくばで開催された「サステナブルフェス2025」に参加しました。このイベントは、ホテルが主体となってSDGsの理念を広く地域社会に届けるために企画されたもので、環境や福祉、地産地消など多角的なテーマのもと、子どもから大人まで楽しみながら学べるプログラムが展開されていました。

中でも、環境省リサイクル推進室による特別講演「環境省における食品ロス」では、私自身がかねてより課題として取り組んできた“食品ロス削減”の重要性について、あらためて大きな気づきを得る時間となりました。

日本では、年間2,232万トンもの食品廃棄物が出されており、そのうち472万トンが「食品ロス」、つまり本来食べられるのに捨てられている食べ物です。これは国民一人あたりに換算すると、毎日お茶碗一杯分のごはんに相当します。地球温暖化やカーボンニュートラルの観点からも、食品の生産・加工・流通・廃棄に伴う資源やエネルギーの無駄を削減することは喫緊の課題です。

私はつくば市議時代の2018年3月議会で、この食品ロスの削減を市の施策として推進することを初めて提案しました。その後、行政の計画に位置づけられ、つくば市として正式に事業化されました。現在では、全国的にも「食品ロス削減推進法」が2019年に制定され、各自治体における具体的な取り組みが広がりを見せています。この法案の骨格をつくったのが、実は公明党の国会議員によるチームであり、私も地方の現場から連携し続けてきた一人です。

今回のイベントのように、行政主導ではなく、ホテルという民間企業がSDGsに正面から取り組む姿勢を示し、地域住民が気軽に参加できる機会を提供することには大きな意味があります。参加する層も多様になり、新たな気づきや行動のきっかけが生まれる場となっていました。

講演の中では、飲食店での「食べ残し」を自己責任で持ち帰る「mottECO(モッテコ)」の推進や、家庭で余った食品をフードバンクへ寄付する「フードドライブ」、賞味期限間近の商品をお得に入手できる「フードシェアリング」といった新しい取り組みが紹介されていました。どれも、すぐにでも私たちの暮らしの中に取り入れられるアクションです。

私は今後も、県議会の立場から、食品ロス削減のさらなる推進、そして地域循環を基盤とした持続可能な社会の実現に向けて、民間とも連携しながら取り組んでまいります。「もったいない」の心を、社会を変える力に——。その実現のために、引き続き皆さまのお力添えをお願い申し上げます。