8月24日、「つくばエクスプレス(TX)」は開業から丸20年という大きな節目を迎えました。2005年の開業以来、TXは茨城県、特に沿線のつくば市や守谷市、つくばみらい市の発展に大きな役割を果たしてきました。この20年で沿線人口は開業前の約1.3倍に増加し、県内の平均地価上位もTX沿線自治体が占めるようになっています。都心とつくばを最短45分で結んだことで、研究学園都市の魅力が一層高まり、地域経済や不動産価値の向上につながりました。TXが果たしてきた役割は、まさに「人・物・情報の流れ」を大きく変えたと言えるでしょう。

輸送実績も順調に伸び、2025年3月末時点で1日あたりの輸送人員は約40.3万人と、コロナ禍前の水準を超えるまでに回復しました。経営も安定基盤を築き、首都圏新都市鉄道は今後のさらなる成長を視野に入れています。

私にとって最大の関心事は、TXの延伸です。すでに決定した土浦方面への延伸はもちろんですが、真に茨城の未来を拓くのは「東京駅延伸」と「羽田空港・臨海部への直結」です。東京駅に乗り入れることで、茨城県から都心へのアクセスが格段に改善され、ビジネス・学業・観光など幅広い分野で交流が広がります。そして羽田空港や臨海部と直結すれば、研究都市つくばは国際都市としての飛躍的な発展が期待でき、世界と直結する大動脈となります。
また、目の前の課題として「長編成化」、つまり列車の8両編成化は待ったなしです。現在も混雑は深刻であり、輸送力を約30%増やすこの事業は、2030年代前半の完了を目指して進められています。地域住民にとって快適で持続可能な交通手段を確保するためには、早期の実現が不可欠です。

TXは開業から20年、地域を大きく変えてきました。しかし本当の勝負はこれからです。土浦延伸によって県南地域の活性化を、東京駅延伸と羽田空港直結で首都圏・世界との結び付きを強め、さらに超編成化で日々の利便性を確保する。この一つひとつが、茨城の未来をつくる重要なステップだと確信しています。つくば市選出の県議会議員として、地域の声をしっかりと県政に届け、TXを軸とした新しい茨城の姿を描き出すために全力を尽くしてまいります。