山本美和議員が一般質問【道の駅の防災拠点としての強化】

2024年3月7日、茨城県議会一般質問が行われ、県議会公明党の山本美和議員が質問に立ちました。
山本議員は、「平時は観光の集客施設、災害時は被災地支援の役割を担う道の駅が増えていくことは、地域住民の安全安心につながる」と、復旧・復興活動の拠点として、広域的な防災機能を担う「防災道の駅」の必要性を訴えました。 県内では大子町池田の「奥久慈だいご」が防災道の駅に選定されています。
「茨城県は、首都圏で大規模災害が起きた時の後方支援拠点として期待される。県内で防災道の駅の拡充推進を後押ししてもらいたい」と、強く訴えました。

道の駅の防災拠点としての強化等について

 道の駅の防災拠点としての強化等について伺います。
 創設から30年が経つ道の駅は、本年2月16日に新たに4駅が登録され、全国で1,213か所となっています。現在、道の駅第3ステージと位置付けされ、地方創生や観光、防災の拠点として道の駅を核とした地域づくりが進められています。
 2021年度には災害時に地域の防災拠点となる全国39か所の「防災道の駅」に、茨城県では16ある道の駅から、道の駅「奥久慈だいご」が選定されています。県の地域防災計画に位置付けられていることと、耐震化、無停電化、通信や水の確保、2,500㎡以上の駐車場の整備、BCPの策定などが要件で、災害対応に当たる自衛隊や警察の活動拠点のほか、緊急物資の輸送、地域住民らの避難受入などに使われます。
この度の能登半島地震において、一般財団法人日本みち研究所が『被災地における「道の駅」状況調査報告』をまとめています。防災道の駅に指定されている「道の駅のと里山空港」では、展望広場が自衛隊、警察、国交省、DMATの拠点として、ターミナルビルは被災者への道路情報や物資の提供場所として実際に活用されています。防災拠点としての利用想定がなされている道の駅「あなみず」では、断水によりトイレが利用できなくなりましたが、福岡県の防災道の駅「うきは」からコンテナトイレが派遣され、機能を果たしているそうです。
このように、防災道の駅は大規模災害に備え、機能強化を進めています。また調査団への聞き取りで、防災拠点へのアクセス道路の整備が重要であると伺いました。同調査に基づく緊急提言でも、「道の駅ネットワークを活用した被災地支援力の強化」「重要物流道路や避難路等の耐災害性の向上」が挙げられています。
平時には観光の集客施設、災害時には一時避難者らの受け入れや被災地支援の役割を担う道の駅が増えていくことは、地域住民の安全・安心につながるのではないでしょうか。
 そこで、県における「防災道の駅」の現状と、今後の道の駅の防災拠点としての強化と活用について、土木部長の御所見を伺います。
この項目の壇上からの質問は、以上です。

【土木部長答弁】
 道の駅の防災拠点としての強化等についてお答えいたします。
 道の駅につきましては、道路利用者の休憩場所という従来の役割に加え、近年は、市町村等の創意工夫のもと、観光や地域振興の拠点として整備されるほか、災害時には地域の避難場所、支援活動の拠点として、大変重要な役割を担っております。
 本県では、これまでに16箇所の道の駅が国土交通省に登録されており、それぞれの道の駅において観光拠点としての一面を発揮し、大変な賑わいを創出しております。
 道の駅の整備にあたり、県では、2014年度に、庁内の関係課などで構成する「茨城県『道の駅』地方創生ワーキングチーム」を設置し、整備の主体となる市町村に対して、各種補助金の情報を提供するなど、技術的な助言を行っているほか、道路利用者が休憩するために必要な県管理道路沿いの駐車場などの整備をしているところでございます。
 一方、2020年5月に、国の中央防災会議において、防災基本計画が一部修正され、「国及び地方公共団体は、防災機能を有する道の駅を地域の防災拠点として位置付け、その機能強化に努めるものとする」との記述が追加されたところでございます。
 こうした中、市町村の地域防災計画に位置付けられている道の駅につきましては、地域の避難場所など、防災拠点としての活用が図られているところでございます。
 また、県では、広域的な観点から、これらの道の駅のうち、災害活動スペースとして広い駐車場を有し、自衛隊・消防・警察など救護活動等の拠点として活用が想定される緊急輸送道路沿いの道の駅を「広域防災拠点」として、地域防災計画に位置付けております。
 このような中、国土交通省では、都道府県の地域防災計画や広域道路交通計画の位置付けなどを踏まえ、2021年6月に全国で39箇所の「防災道の駅」を選定いたしました。
 このうち、本県においては、道の駅「奥久慈だいご」が選定されたことに伴い、大子町が主体となって、令和元年東日本台風を踏まえた敷地の嵩上げや、建物の耐震化、非常用発電機、耐震性貯水槽などの防災施設のほか、災害時にヘリポートや支援活動に必要なスペースとなる駐車場などを計画しており、現在、設計が進められているところでございます。
 また、町では、関係機関と連携しながら、災害時に防災拠点機能を迅速かつ円滑に活用するための業務継続計画の作成を進めているところでございます。
 今後の道の駅における防災機能の強化につきましては、市町村が主体的に考えるべきものであることから、県では、機能強化を実施する市町村に対し、必要な助言を行うなど、積極的に支援してまいります。
 さらに、県管理の緊急輸送道路につきましては、発災直後の救急救命や応急復旧、緊急物資輸送などを円滑かつ確実に実施できるよう、法面などの防災対策、橋梁の耐震化など、国の防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策の予算も最大限に活用しながら、必要な機能強化を着実に進めてまいります。
 県といたしましては、市町村の意向も踏まえ、国と連携しながら、平常時の道路利用者の安全・安心の確保や、災害時の道の駅の防災機能の向上に取り組んでまいります。

【感想等】
 本県は、首都圏に大規模災害が起きた時の後方支援拠点としての役割も期待されています。防災拠点・地域観光拠点として期待される道の駅を今後、拡充推進を後押ししていただきますことを期待し、次の質問に移ります。