取手市双葉地区の洪水被害/地元住民が県に要望書提出

8月21日、6月3日に発生した取手市双葉地区の洪水被害について、地元有志「双葉水害減災を目指す会」の皆さまが、竜ヶ崎工事事務所で茨城県知事宛ての要望書を提出しました。

地元県議の川口 まさや(いばらき自民党)ならびに山本 美和議員(県議会公明党)が、同行しました。

「双葉水害減災を目指す会」代表の山本佐代子さんは、「私たち住民が 、水害を恐れることなく双葉地区に住み続けることができ、双葉地区を出ていった子供たちが安心して戻って来て住み続けることのできる安心安全の地域づくりのために、一刻も早く抜本的な水害対策を講じていただきたい」と語り、4点の具体的な要望を行いました。

なお、「双葉水害減災を目指す会」では、取手市にもより具体的な要望活動を行う予定です。

2023年8月21日

安心安全の地域づくりに関する緊急要望

茨城県知事 大井川 和彦 殿

双葉水害減災を目指す会
代表 山本佐代子

台風2号や梅雨前線の影響により、茨城県内各地に被害をもたらした大雨から2か月半が経過しました。私ども双葉地区では、床上浸水324件、床下浸水240件、合計約564件がほぼ丸1日浸水するなど、未曽有の水害が発生しました。

6月3日未明に、双葉地区内への浸水が始まりました。早朝まだ小雨の降る中、双葉地区内を見回ると、水がどんどん双葉地区内に川のように流れ込んできていました。その後、雨がやんで日が差してきても水が減ることなく増え続けていきました。双葉地区ではこれまでにも何度か、この地域に降った雨で床上浸水や床下浸水被害が発生しておりますが、雨がやんだ後に長時間にわたり水が引くどころか逆に増え続けたことは初めての経験です。今まで床上浸水になったことのない家が床上浸水し、床下浸水になったことのない家が床下浸水になりました。しかも水が引き始めたのは、浸水が始まってから1日以上たった翌日の6月4日早朝からです。浸水によって停電した家屋も多く、この水がどこから来たのか理由がわからないまま、暗闇の中で大変怖い一夜を過ごしました。朝になり水が引き始めたのを見て、どんなに安心したことでしょうか。

今回の浸水では、家屋の被害以外にも、多くの車が長時間水に漬かったままだったため廃車になり、また、多くの家屋でエアコン室外機や給湯設備などが壊れて交換が必要になりました。あれほど多くのレッカー車が廃車を運搬しているのを、私たちは今まで見たことがありません。

私たち住民が、今後、水害を恐れることなく双葉地区に住み続けることができ、双葉地区を出ていった子供たちが安心して戻って来て住み続けることのできる安心安全の地域づくりのために、一刻も早く抜本的な水害対策を講じていただきたく、下記のとおり緊急要望をいたします。

<記>

  • 双葉地区では、地区内に降った雨の影響で、地区内の低い箇所が冠水することがたびたび発生しております。6月2日夕方の約30㎜/hrの雨でも冠水が生じております。双葉地区内2か所にあるポンプ場の増強をはじめ、ポンプの稼働状態を住民がリモートで確認できるように可視化、空き家状態を住民がリモートで確認できるように可視化、空き家や空き地を有効に使った貯水池の設置の設置等の対策を講じていただくとともに、ポンプ場には、停電時に必ず動作する非常用電源の設置をしていただきたい。また、また、双葉地区内のポンプ場だけでなく、長時間の降雨に備えて、2つの機場への非常用電源の設置を強く求めます。
  • 双葉地区には、今回の大雨により周囲の水田や農業用排水路から大量の水が流入しました(資料2、資料3参照)。浸水発生の要因を詳細に分析するとともに、それぞれの箇所から、水が流入しないような対策を早急に講じていただきたい。
  • 勘兵衛堀からの湧水で、双葉地区の住民は毎年苦しんでいます。勘兵衛堀の治水対策をさらに強力に講じていただくとともに、勘兵衛堀の水位計測や、水位による機場の自動運転を検討していただきたい。また、状況に応じて夏場でも小貝川へつながる水門を開閉させることで、排水能力の向上が図れないか検討していただきたい。
  • 今までに経験したことのない水害が発生した要因の一つに、牛久沼の増水が関係していると思われます(資料2参照)。牛久沼の増水が双葉地区の水害に影響を及ぼしたかどうかも含め、調査していただくともに、調査と並行して、私たち住民が安心して安全に双葉地区に住み続けられるように、牛久沼の水が双葉地区に浸水被害を及ぼさないように、牛久沼下流の八間堰の仮締切鋼矢板を可能な限り下げるとともに、調整池、堤防強化などの対策を早急に講じていただきたい。