つくバスの収支率は県内最高、つくば市の負担金は3億3800万円余り

5月27日、茨城県議会「交通政策・物流問題調査特別委員会」が開催され、有識者からの意見聴取が行われました。
その中で、筑波大学システム情報系教授・岡本直久さんは「茨城県における公共交通の課題と論点」と題して講演し、県内のコミュニティバスの収支状況を示しました。

それによると、つくば市のつくバスが、収支率で県内トップであることが示されました(令和4年度)。つくバスは、つくば市内を網羅するコミュニティバスとして、地域住民の移動手段の一つとして重要な役割を果たしています。つくばエクスプレス(TX)のつくば駅、研究学園駅、みどりの駅を起点に、筑波地区、大穂地区、谷田部地区、茎崎地区など広範なエリアで運行されています。運行本数も多く、特に通勤・通学時間帯においては利用者が多く見受けられます。つくバスの運賃は、区間制で大人200円、300円、400円と比較的手頃であり、一般路線バスよりも安価です。また、ノンステップバスの導入や運行時間の拡大など、利用者の利便性を向上させるための施策も積極的に実施されています。特に、交通渋滞の緩和や環境負荷の軽減を目的に、自動車からバスへの転換を促す取り組みが評価されています。

つくバスは現在、運転手不足や労働時間の規制により、4月から運行本数が削減されています。通勤や通学で利用されている平日の朝便と夜便を維持することを優先し、平日の昼間と土日祝日を減便されました。かつて平日と土日祝日いずれも共通の時刻表により10路線で317便を運行しているのに対し、4月からは時刻表を平日と土日祝日に分け、平日は全体で13.6%(43便)減便、土日祝日は32.8%(104便)減便となりました。平日の昼間や土日祝日の便数が減少することで、利用者の不便さが増す可能性があります。この問題に対処するためには、運転手の確保と効率的な運行計画の見直しが必要です。つくば市は広大なエリアを持つため、すべての地域を均等にカバーすることが難しい現状があります。特に郊外や人口密度の低い地域では、バス停が少なく、公共交通の利用が難しい状況が見受けられます。これに対する解決策として、オンデマンドバスや乗合タクシーの導入など、柔軟な交通サービスの提供が求められます。

つくバスの運行には多額の運行経費がかかり、運賃収入だけでは十分な資金を確保することが困難です。現在、市が補助金を投入していますが、長期的には独立採算を目指す必要があります。そのためには、コスト削減や運行効率の向上、さらに利用者の増加策を講じることが重要です。利用者のニーズは多様化しており、それに応じたサービスの提供が求められます。例えば、高齢者や障害者の利用しやすい環境の整備、通学・通勤者向けのバス路線の充実、観光客向けのサービスなど、多岐にわたるニーズに対応することが必要です。利用者からのフィードバックを積極的に取り入れ、サービス向上を図ることが求められます。

令和6年度のつくバスの予算は3億3,874万円です。つくば市では、つくバスの運行を通じて、市内交通網の整備充実を図り、効率的な鉄道二次交通手段及び高齢者等の移動手段の確保、環境負荷の軽減を目指します。「つくば市地域公共交通計画」に基づく各施策の実現により、つくバスの利便性を向上させ、自家用車ではなく公共交通の利用を促進することで、つくバスの収支率改善、市内の道路渋滞の緩和、カーボンニュートラルの実現などに寄与することが期待されます。