12月2日から、緊急性のない救急車利用には「選定療養費」が徴収されます。

12月2日から、筑波大付属病院や筑波メディカルセンターなど県内の大規模病院の多くで、緊急性のない救急車の利用に、患者にたいして費用負担が求めることになります。

県はこの程ガイドラインを公表し、「軽い切り傷、擦り傷」は明らかに緊急性がないとし、「緊急性が低い」症状10例も挙げています。ただ、患者が判断に迷うケースも多いとみられ、県は24時間対応の救急電話相談の利用をすすめています。

救急車の適正な利用を促す目的で、12月2日午前8時半以降の救急搬送が対象として、搬送先病院の医師が「緊急性がない」と判断した場合、患者から「選定療養費」を徴収します。

選定療養費は一部の大規模病院への患者集中を防ぐ目的で、2016年に国が定めました。一般病床数200床以上の病院を紹介状なしで受診する場合に患者に負担を求めています。ほとんどの病院では救急搬送は対象外としてきました。今年6月に三重県松阪市の病院で救急搬送で導入され、都道府県単位では茨城県が初めての導入となります。

茨城県内では22病院が救急搬送を対象とします。患者の負担額は病院によって異なり、筑波大学付属病院は1万3200円、総合病院土浦協同病院と筑波メディカルセンター病院が1万1千円、神栖白十字総合病院は1100円、その他18病院が7700円です。

県によると、県内の救急搬送件数は18年は12万2434件でしたが、23年(速報値)は14万3046件と過去最多を更新しています。6割以上が大規模病院に集中する一方、症状は軽症が半数を占めていました。

救急車を呼ぶ際、迷ったときは県の救急電話相談:15歳以上が#7119、15歳未満は#8000に電話をかけてください。24時間対応で相談は無料です(通話料は利用者負担)

●緊急性が認められない可能性がある主な事例:明らかに緊急性が認められない症状

・軽い切り傷、擦り傷のみ
・微熱のみ(37.4度以下)
・虫に刺されたり、かまれたりした部分が赤くなり、痛いのみで、全身のショック症状(じんましん等)は見られない
・風邪の症状のみ
・打撲のみ
・慢性的な、または数日前からの歯痛
・慢性的な、または数日前からの腰痛
・便秘のみ
・何日も症状が続いていて、特に悪化したわけではない
・何となく体調が悪い、頭が重い、イライラするといった症状のみ
・眠れないのみ