山本議員ら福島県内の水素エネルギー研究フィールド、学び舎ゆめの森、福島第一原発などを視察

2月15日、16日、山本美和議員ら茨城県議会公明党議員会は、福島県内を現地調査。福島水素エネルギー研究フィールド、大熊町立「学び舎ゆめの森」、東京電力廃炉資料館、福島第一原子力発電所などを視察し、担当者から説明を聴取するとともに、意見交換をしました。

2月15日、福島県浪江町の福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)を訪問しました。 研究フィールドは、NEDOを事業主体とする、1万kW級の水素製造装置を備えた世界最大級の水素エネルギーシステム実証事業で、2020年3月に完成しました。
研究フィールドでは、20MWの太陽光発電で発電した電力を使って、10MWの水素製造装置で水を電気分解し、水素を製造しています。現在は実証実験が終了し、商用化に向けた準備が進められています。 水素自動車への利用や、電力系統の安定化など、水素は様々な分野での活用が期待されています。

同じく2月15日、福島県大熊町の「学び舎ゆめの森」を訪問。2023年に帰還した町民の子どもを対象に義務教育学校と認定こども園を開園したゆめの森は、子どもたちの個性を伸ばすために、様々な取り組みを行っています。
三角形フレームの組み合わせで生まれる自由な形状の校舎は、図書広場を中心に放射状に教室が配置されています。校舎内外には数多くの遊具や工夫された椅子が配置され、子どもたちの遊びと探究心を育む空間となっています。音楽室には屋外ステージを併設し、地域住民も利用できる空間となっています。

ゆめの森では、各学年10名の少人数制で、一人ひとりの特性に合わせた指導、毎週金曜日は5年生から9年生が自分たちで時間割を決める、演劇をり入れて自己肯定感や表現力・協働力・創造力を養う、哲学対話を通して、自ら考え、対話する力を育むなど、特徴的な教育が実践されています。

2月16日には、東京電力廃炉資料館および福島第一原子力発電所を現地調査し、廃炉事業の進捗状況などを確認しました。
2011年3月11日、マグニチュード9.0の地震が発生し、福島第一原子力発電所では津波によって全電源喪失が発生しました。これにより、原子炉の冷却機能が失われ、燃料破損、水素発生、メルトダウン、水素爆発といった事故が連鎖的に発生しました。

現在、東京電力は廃炉作業を進めています。事故対策の中で発生した処理水は、サブドレン設備やALPS(核種除去設備)で処理され、敷地内のタンクに保管されています。ALPS処理水は、トリチウム以外の放射性物質は国の基準値以下に除去されていますが、トリチウムについては海洋放出が計画的に行われています。海洋放出については、事前に分析を行い、トリチウム以外の核種が示濃度比総和が1未満であることを確認し、大量の海水で100倍以上に希釈して、トリチウム濃度が1,500ベクレル/リットル未満にして、1km沖合に放出しています。

廃炉作業は長期にわたる事業であり、多くの課題があります。例えば、廃炉作業員の確保や処理水の安全性確保、風評被害の払拭などがあげられます。東京電力や関係者は、これらの課題を克服し、安全かつ確実に廃炉作業を進めていくとしています。

茨城県議会公明党議員会は、今後も廃炉作業の進捗状況を注視し、県民の安全と環境保全に最大限配慮していくよう、東京電力や関係者に働きかけていく所存です。また、県内に存在する東海第2発電所の再稼働の課題も抱えています。よりよい結論が出せるよう、議論を深めてまいります。